エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「ふふっ、さっきまで泣いてたのに寝ちゃいましたね。本当赤ちゃんって忙しいし、見てて飽きませんね」


「本当ですね。でもお義母さんのところに行きたいからかわいそうだけどクーファンに入ってもらおうか」


 蒼司はそっと両手を伸ばし、和香那をチャイルドシートから持ち上げ、クーファンにそっと降ろした。この赤ちゃんを入れて持ち運べるカゴのクーファンは首の座っていない時期には大活躍しそうなベビー用品だ。寝心地もいいのか、移されたことに気が付いて居らす相変わらず可愛い寝顔ですやすやと眠っている。


「じゃあ、行きましょうか」


 蒼司が大事な宝物をしっかりと持ち上げ、三人で菜那の母親が入院している病室に向かった。

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