エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「なーに言ってるの。もっともっと長生きして和香那の成長を見てもらわないとね!」


「そうですよお義母さん、次は妹かな、弟かな、双子も可愛いですよね。二倍の幸せを味わえそうです」


 上品に凄いことを言う蒼司に菜那と母親は顔を合わせて笑った。


「ははっ、私もまだまだ病気に負けちゃいられないわね。菜那、和香ちゃんなんだか眠そうだからもうそろそろ帰りなさい」


 母親の腕の中でうとうとしている菜那を受け取り、そっとクーファンの中に降ろした。


「じゃあ、また来るね」


「うん、手伝えなくてごめんね」


 眉を下げる母親に菜那は蒼司の隣に立ち満面の笑みを見せた。


「私にはとっても頼りになる旦那様がいるから大丈夫だよ」


「ははっ、そうね。蒼司さん、菜那の事どうぞよろしくお願いします」


 ぺこりと頭を下げる母親に蒼司はそれ以上に深く頭を下げた。

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