エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
 洗濯物を洗濯機に入れてリビングに戻ると蒼司がソファーに座りノートパソコンを弄っていた。


(わ……眼鏡してる……)


 シンプルなシルバーフレームの眼鏡をした蒼司は更に色気を増しているように見える。長い足を組みパソコンに向かう姿は知的で、見惚れてしまいそうになるほどカッコいい。菜那は蒼司の邪魔にならないようにササっとローテーブルの上にあったペットボトルを回収した。


「ありがとうございます」


 菜那の姿が目の端に映ったのか、蒼司はパソコンから顔を上げて眼鏡を外した。目が疲れたのか目頭を指で摘んでぐいぐい揉んでいる。


「お仕事大変そうですね」


「ちょっと案件が立て込んじゃいまして。あ、邪魔だったら別の部屋に行きますけど大丈夫ですか?」


 蒼司はノートパソコンを閉めようと手を掛けた。


「いえ、全く邪魔だなんてことはありません。むしろ私の方がちょこちょこ動いていてお邪魔になってはいませんか? できるだけお仕事の邪魔にならないように気を付けますが……」


「大丈夫ですよ。俺の家にいる菜那さんを見ていたいですから」


「へ……?」

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