エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「グリーンも似合いますね」
「あ、ありがとうございます。でも、本当にいいんですか? 買ってもらってしまって」
「いいんです。俺が無理に頼んだんだからそのくらいさせてください。パーティーが始まる夕方までまだ時間があるからゆっくり選びましょう」
「……ありがとうございます」
グリーンのドレスを元の場所に戻した蒼司は優しく微笑んだ。切れ長の瞳が柔らかく細まるその瞬間は菜那の心がぽわんと温かくなる時でもある。
(わ……これ可愛い)
淡いピンクのフラワーレースが印象的なシンプルなドレス。デコルテが透け感のあるシアーレースで露出しすぎていなく、フェミニンかつ、上品だ。このドレスが着てみたい……思わず手が伸びた。そっと淡いピンクのドレスを手に取る。膝丈までのスカートも全てフラワーレースが施されていた。
「このドレスがお気に召しましたか?」
ふわっと爽やかな香りが鼻腔を擽る。菜那の肩から覗き込むようにして顔を出した蒼司の香りだ。
(ち、近いっ……)
いつも思うが蒼司の距離感はやたら近いと感じる。本人は全く気にしている様子はないので、元からそういう人なのだろうか。でも、緊張するだけで、近い事が嫌なわけではない。爽やかな香りも、菜那の好みだ。
「あ、ありがとうございます。でも、本当にいいんですか? 買ってもらってしまって」
「いいんです。俺が無理に頼んだんだからそのくらいさせてください。パーティーが始まる夕方までまだ時間があるからゆっくり選びましょう」
「……ありがとうございます」
グリーンのドレスを元の場所に戻した蒼司は優しく微笑んだ。切れ長の瞳が柔らかく細まるその瞬間は菜那の心がぽわんと温かくなる時でもある。
(わ……これ可愛い)
淡いピンクのフラワーレースが印象的なシンプルなドレス。デコルテが透け感のあるシアーレースで露出しすぎていなく、フェミニンかつ、上品だ。このドレスが着てみたい……思わず手が伸びた。そっと淡いピンクのドレスを手に取る。膝丈までのスカートも全てフラワーレースが施されていた。
「このドレスがお気に召しましたか?」
ふわっと爽やかな香りが鼻腔を擽る。菜那の肩から覗き込むようにして顔を出した蒼司の香りだ。
(ち、近いっ……)
いつも思うが蒼司の距離感はやたら近いと感じる。本人は全く気にしている様子はないので、元からそういう人なのだろうか。でも、緊張するだけで、近い事が嫌なわけではない。爽やかな香りも、菜那の好みだ。