偽恋人の恋愛事情




田舎でも都会でもない程よい発展途上の街


その海辺に位置するごく普通の高校


私はそこに通う高校3年生


現在、生徒会長を務めている城木雪音である。




「あ!会長!」
「おはようございます!」
「今日も美しいね!」



品行方正、清廉潔白
人々は私をそう言った言葉で例えるけれど

そう見せるため、日々奮闘しているのだから相応しい称号な気がする




「おはよ、会長」

……

「お、はようございます。鈴本くん」



当然のように隣に並ぶ彼は

鈴本楓



「お、我が校の名物カップル!」
「超お似合い!」
「どっちも羨ましい〜」



私たちは、誰もが憧れるような


夢の恋人同士です







「ん、もういいよ。じゃあ放課後もよろしく」

「……はい」




表向きはね。







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