偽恋人の恋愛事情
「そんな時に風の噂で聞いた」
噂?
「生徒会長は全く恋愛ごとに興味がないって」
……なるほど
じっと力のない目で私を見る機械のような男
私も一才の動揺を見せないよう、同じように冷たい目を向けて口を開く
「つまり、彼女がいる状態であれば告白されづらくなるだろうし、告白されたとしても断る良い材料になる。
しかし現段階であなたは彼女を作るつもりがない。だから恋愛ごとに興味がないと噂に聞いたこの私を彼女ということにして、女避けにしたい…ということでいいですか?」
淡々とそう紡げば鈴本楓は少し目を開いて片方の口角を上げた
「…さすが。そういうことです会長」
なるほど…
この男の意見はわかった
でも…なんだか最善の選択とは思えないのだけども…
「もちろん、俺が言ってることがめちゃくちゃだってことはわかってる。でもこれは俺だけに利益のある話ではないはずです」
…は?
誰に利益があるっていうの?
当事者は私とあなただけですけど
「会長もモテるだろ?」
………HA?