偽恋人の恋愛事情



良いのかな、と少し後ろめたい気持ちをなんとか押し殺して

彼女を家に招いた


俺の服を着て洗面所から出てきた時はちょっとだけヒヤッとした


一番小さいの選んだんだけど…

結局ブカブカだったので首元が緩く、少し動くと白い肩が見える

なるべく見ないようにしようと思いつつも

制服姿とは違う彼女は新鮮で、
生徒会長ではなく、同級生の城木雪音だった



ーーー

昨夜


さて

「…何があったのか、聞いてもいい?」


触れない方がいい場合もある

でも俺はそんな紳士じゃないし

純粋に…彼女をここまで追い詰めた訳が知りたい

仮だけど恋人だろ?
偽物だけど恋人だ

だったら俺にも聞く権利はある


「…ゆっくりでもいいですか」



「もちろんだよ」



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