偽恋人の恋愛事情
私が…なに?
「会長も俺と似たようなもんでしょ?」
えっと……
え?
私がモテる?
なに?
どこ情報?
残念ながら私は生まれてこのかた、彼氏という存在ができたことないのですが?
年齢イコール彼氏いない歴ですが?
何をどうしたら私がモテるという結論に至るのか説明願いたい
「…あれ?もしかして会長知らない?あんたが他の生徒になんて呼ばれてるか」
…しまった
動揺を見せないつもりだったけど
流石に思いもよらない発言のせいで顔に出ていたかもしれない
慌てて、冷静を取り繕う
「呼ばれている…とは?」
なんて呼ばれてんの?
めっちゃ気になるのですが
だが知ったかぶりはよくない
ここは素直に質問しよう
さあ教えてくれたまえ
鈴本楓は面倒くさそうに首の後ろに手を添えて言葉を紡いだ
「白雪姫」
……?
し、しらゆきひめ?
え、な、なにがどうなってそうなったの?
確かに私の名前は城木雪音だけど、白じゃなくて城だし
ていうか、姫って?
「肌白くて髪黒くて上品で美人だからって誰かが呼び始めてそれが伝染した」
は、はあ…
初めて知りました
「まあ、あんたはむやみやたらに近づけるようなタイプじゃないから告白こそはされなかったとしても、好意を向けられることはあるはずだ。
でもあんたは恋愛に興味がないんだろ?だったら今後告白されたり好意を向けられたりした時に、彼氏という存在があれば断るのだって容易いし、男避けになる」
……なるほど
言いたいことはわかった