偽恋人の恋愛事情
「頼むよ会長。表向きで付き合ってるってことになってりゃいいんだ」
んーー
でも…えぇ
「…品行方正でいつも冷静な会長なら、こんな上部だけのレッテルなんてなんの足枷にもならないはずだろ?」
なっ
「それとも?流石に恋愛ごとには疎かったですか?」
……こ、このっ
ニヤリと私を嘲笑うように見下ろしてくるこの男
こいつっ
私の一番気にしていることを…
バンっと机に手をついて立ち上がる
「わかりました!でも、効果がないと分かったり、何か私の生活に支障が出るようなことがあればすぐにこの契約はなかったことにします」
「契約ねぇ」
「私はあくまで、生徒会長として迷える生徒に救いの手を差し伸べただけです。私の顔に泥を塗るようなことは謹んでいただきたい」
「心得ましたー」
「そ、それから!私は恋愛ごとに疎いのではなく、興味がないだけですから!だ、だから彼氏彼女がどんなことをするかとかそう言ったことは知りません!あなたが頼んできたんだから細かいところはあなたがなんとかしてください!」
「ははは」
な、何を笑ってるんだこの野郎!
「わかりました〜会長サマ。でもまあ恋愛ごとに疎い…じゃなかったね。恋愛ごとに興味のない会長だからそんな無理して気合い入れなくてもいいよ。完璧にこなしてくれるなんて思ってないから」
は、はぁぁぁぁ!?
こいつ頼んでおきながらなんて失礼なやつなんだ!
バカにしやがってぇェェ!
「じゃあ!今からスタートです!さあほら帰りますよ!一緒に!!」
「あっはは、了解了解」