偽恋人の恋愛事情
間も無くして、低いエンジン音と共に白いピカピカの確実に良い車が来た
思わず唾を飲み込む
12時に城木家の前まで壇さんが直々に迎えに来てくださるとのことだったのだ
といっても壇家は城木家よりはるかにお金持ちの名家なので
専属の運転手さんが運転して、壇さんが同行してくるという形だ
ひぃ、セレブじゃセレブ
白いピカピカの車からまず運転手が降りてくる
そして後ろの扉を開ける
…セレブってことはやっぱちょっとお高くとまった鼻の高い人かもしれない
扱いには気をつけ…
ゴンッ!
え?
鈍い音が聞こえたと思ったら運転手がため息をついている
何かと思えば白い車から白いスーツを着た人が出てこようとして車の天井に頭をぶつけたようだ
頭を抑えながら恥ずかしそうにその白スーツの男の人はゆっくり出てくる
「あ…えっと、すみません」
「……いえ」
お父さんの驚いた声
チャキッとスーツの襟を整える…壇春正という方
真っ黒の癖のない髪
白く綺麗な肌と細身のすらっとした高い身長
二重幅が広く、穏やかなトロンとした大きな目が印象的だ
白スーツを見事に着こなした清潔感のある男性
い、イケメンだ…
思っていたよりはるかにイケメンだ
楓くんや佐賀くんとはまた違ったタイプのハンサム
男前というのが近いかもしれない…
こ、これは緊張してしまうぞ