偽恋人の恋愛事情



「…」

あの父親はどうする?

私と壇さんの縁談が進むことは父親にとって本望だろう


私を優秀な大学へ入れたいと言っていた

確かにこの圧と勢いを兼ね揃えた壇さんなら大学に手を回すことだって可能だろう…

それに会社まで絡んでくる…


助けてと言ったところで行ってこいと言われるかもしれない…


となると、兄か

おそらく兄は助けに来てくれるだろう

しかしあの人も会社の人間だ

どれだけ兄がシスコン全開にして助けにこようとしても

父親に止められるかもしれない…

それに社会人である兄は自分の会社の取引先相手に何か物言える立場でないことは重々承知のはずだ


…まずい

これは問答無用で結婚させられる



「…家族に言ってもあまり効果は期待できないかと……一応連絡はしておきます」


とりあえず兄にSOSメッセージを送る


「家まで行ってしまったら僕にもどうにもできないかもしれません…もちろん全力は尽くしますが、あの父親なので…あまり期待はできないかと」

うん…そんな感じする

「家に入る前に、なんとか…なんとかしないと」


相当やばい父親らしい

春正さんの顔がガチだ

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