偽恋人の恋愛事情


「父さん!雪音さんに花束を買いたいから花屋に寄って!」

隣の春正さんが声を上げた


時間稼ぎがはじまったようだ

「おー?いいな!花束とは!さすが我が息子!おい、花屋に寄れ」

よし!うまく行った!


お互い顔を見合わせて頷く


と、携帯がぶぶっと震えた

楓くん?


あ、いや違う

兄さんだ


『雪音!話は聞いた!すぐ行く!』

え?

話は聞いた?


待ってどういうこと?

私兄さんに やばい帰れそうにない って送ったよね?

それだけだよね?

誰に話を聞いたっての?


兄さんからの返信を春正さんに見せる

と、私と同じように首を傾げる



…まさか

いや、そんなはずは…


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