偽恋人の恋愛事情



「……」

「……」

お父様と春正さんが目を丸くして私を見ている


…へ、変なこと言ったかな



「いやぁ…実に素晴らしい…雪音さん。君はやはり我が家に必要な人材だ」



お父様が大きくゆっくり拍手を3回ほどした


「君がそう言うならその薔薇だけにしよう。ああ久しぶりにいいことを聞いた」

なんかさっきまでガハハおじさんだったのに

急に落ち着いてしまった

それが逆に怖くなってくる


「…すごいよ、雪音さん」

え?

春正さんが耳打ちする

「父さんは買うと言ったら財力を見せつけるためにも何がなんでも100本くらいは買う人だったけど…まさか1本しか買わないなんて」

えぇ…


「ただ、まずいのは…余計に気に入られてしまったってことかな」

う…わぁ

まじか

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