偽恋人の恋愛事情
「……するワケねぇだろ」
『なんだ?』
っ
「…連絡するワケねぇだろ!お前みたいな父親に!雪音がなんで俺に連絡したと思ってんだ!なんで家出したか考えたのかよ!」
『…は』
「雪音はあんたより俺に頼った!あんたが助けてくれると思わなかったから俺に頼ったんだ!なんでわからねぇんだ!娘のSOS無視すんのかよ!」
『…』
むかつく!
クッソムカつく!
この時間が無駄だ!
「成績だとか、将来だとか、そんなことより優先すべき雪音の気持ちがあるだろ!?未来より今だ!今、雪音が苦しんでるんだったら助けるのが普通だろう!なんで自分の親に雪音が素直に手を伸ばせないのか!考えたことないのか!?」
『…っ』
「雪音が助けを求めてる。もしあんたが、俺より雪音を愛してるというのなら力を貸してくれ!俺はそのあとどうなったって良い。ただ雪音を助けたいだけなんだ!」
『……』
「……」
なんで何も言わねぇんだよ
「…もしかして、雪音のことどうでも良いんですか?」
『っ…そんなわけがないだろう!』
!
…ああ
やっぱりそうだ
雪音
お前みたいな人間をそばに置いておいて
愛さないなんておかしいんだよ
だから父親もお兄さんも、雪音を愛してる
間違いなく