偽恋人の恋愛事情
そのあと、私たちは一緒にご飯を作って、一緒に食べた
それから楓くんが映画が見たいというので2人でビデオ屋に行く
「なんでホラー映画なの?」
「夏だし」
ただ、選択がガチガチのホラー映画だったのが謎だけど
「雪音はホラー平気?」
「霊とかお化け系なら平気ですけど…殺人鬼とかはちょっと」
「スプラッタ苦手?」
「いや、グロというより人間が豹変する系ってリアルで怖くないですか?」
「リアルかなぁ」
「シリアルキラーとかサイコキラーって実際に事件もあるし」
「じゃあ間とってグール系、カニバリストのやつにしよう」
「なんの間も取ってないよそれ」
「そうかなーこれは?彼女を愛するあまり、愛が征服欲から食欲に変わっていくやつ、感動するらしいよ?」
えぇ…
「楓くんはそういうのが好きなの?」
「いや特に苦手も好みもないかな。だけど普通の映画じゃつまらないだろ?どうせなら雪音の新鮮な表情が見たい」
えぇー
「嫌な目的ですねぇ」
「大事なことだもんねー」
そう言ってカニバリストの映画を持っていく