偽恋人の恋愛事情


帰り道

上機嫌な楓くんとちょっとブルーな私


「お家デートみたいだろ?」

「お家デート初回にカニバリストのホラー映画ってかなり癖強いですよ」

「雪音がきゃーとか言ってくっついてくれたら嬉しいし」

…こやつめ

「それが目的ですか」

「もちろーん」

単純なやつじゃ


「残念ながら私は怖いからと言って、くっつくような醜態晒しませんので!」

「それは楽しみですわ」


ふん!

舐められちゃあ困るわよ

私は常に品行方正、冷静沈着な生徒会長なんですから!!



ーーーーー



「うわああああ!!カッ楓くん!もっとこっちきて!!」

「ふっふふ…はいはい」


ぐちょーーー
がばーーー


「ひいいいい!!」

楓くんの腕を抱え込むような体勢で片目で画面を見る


な、なにあれなにあれ!

信じらんない!!

こっっっっっわ!!


「醜態は晒さないって言ってなかった?」

「言ってないです!!」

「俺の聞き間違いかー」


ぐちょーーーー
どぅわーーーー


「きゃああああ!」

「ふっふふふ…」

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