偽恋人の恋愛事情




「俺たちもうすぐ付き合って3ヶ月だね」




不意にそんなことを言い出した


「偽恋人だった期間も合わせるの?」

「俺は偽恋人やってる時から好きだったからね」

えーなにそれー


「それに、俺たちの始まりはそれでしょ?」


ふざけた関係だったけど

きっと時が経てば笑い話になる

人生とはそんなものだ


「そうだね」


「記念日が二つあるってのもいいね」

「偽恋人記念ってこと?なにそれー」

「あはは」


楓くんが柔らかく笑う



「雪音、やっぱ一緒に暮らそうよ、雪音の部屋まだあるしさ、悪い話じゃないだろ?」

え…

急に何を言い出すのよ

「まだ高校生でしょ?」

「じゃあ高校卒業したら?」


それ…は


「卒業したら一緒に暮らそうよ」



「俺は、一分でも一秒でも、雪音といたい」


…そ、そんなこと言われてしまったら

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