偽恋人の恋愛事情



5月

学年も上がり、JKと呼ばれる最後の年にやってきた


しかしだからと言って何か特別なことがあるわけでもなく

私は今までと変わらない確実な人生を歩むための毎日を繰り返す


いい大学に進むため

将来困らないため

安定した人生を送るため


自分に言い聞かせる材料は数多とある


変化なんて望んでいない

必要な時が来たら変わる

自分から迎えに行くつもりはない


『普通』であることは簡単なことではない


最後の一年

自分の築き上げてきたこの地位を守り抜く。




その、つもりだった。


奴が現れるまでは



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