偽恋人の恋愛事情



その日も1日の学校生活を終え、生徒会室にて会議をしていた

新学期になり、新入生も入ってきて、緩みがちな二年生と三年生を取り締まる


生徒会と言ってもやっていることは難しいことではない

ただ与えられた責務をこなすだけ


「今日の会議はこれで終わりです。お疲れ様でした」

淡々とした私の声にボソボソと返ってくる他の役員の声


「お疲れ〜会長」

「お疲れ様でした」


ごく稀に不真面目な人間がなんの手違いか生徒会に入っていることがある


「相変わらず品行方正だね〜城木会長は」

「…」

何も返さない私にククっと癪に触る笑い方を捨てて出ていく男


品行方正であることは正しいことでしょう

なんでそんなからかいの音で言われなければならないのか

はぁと小さなため息をついて自分の荷物をまとめていた



その時だった

私の人生を大きく揺るがす

キーパーソンが現れたのは。




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