偽恋人の恋愛事情



「それは、なんの顔?」

「開放感と不安とが入り混じった顔です」

「テスト終わりだもんねー」

そうです
中間テストが終わりました


「どうでしたか?」

「んー?まあいつも通り?」


…こやつは
私に並ぶ成績の持ち主だ

総合順位2位のやつだ


抜かされる可能性だってある

負けるわけにはいかない

品行方正、成績優秀な完璧な生徒会長として
学年一位の座は譲れないっ


と意気込んだところで

もう終わっているから、あとは結果を待つのみなんだけど


「勉強好きなんですか?」

「いやべつに?」

べ、勉強好きじゃないのに2位…だと?


「テスト勉強は頑張るタイプですか?」

「まあ流石に前日はやるけど、そんなに燃えるタイプではないかな」

な、なんだと…

死に物狂いで勉強している私と並ぶこやつが…こやつが…

ぐぬぬぬ


「ははは、すごい顔、なんの顔それ」

「解せぬって顔です」

「ふふ、言っとくけど俺は会長みたいに勉強ができるわけじゃないよ」

は?


「3年もこの高校にいればテストを作る先生の問題のパターンとか、抑えるべきポイントとかそういうのがわかってくるんだよ」

なぬ

「授業中の雰囲気とか、テスト前の先生の発言とかに耳済ましておけば割と対策は取れる。
それにだいたい学校でやるテストは授業さえまともに聞いておけばなんとかなるだろ?」

まあそれはそう

授業で言っていたことや教科書を読み返しておけば点数は取れる


「駆け引きだよ」

な、なるほど

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