偽恋人の恋愛事情



「お母さん…」

お母さんがいた頃は暖かかった

家の中が好きだった

兄さんともよく喧嘩をした

お父さんだって不器用では合ったけど…よく笑っていた


でもそれは束の間の幸せに過ぎなかった


兄と喧嘩をすることなどなくなった

顔すら合わせなくなった

父親は言わずもがなあんな風だ



私は愛されてなどいなかった

お母さんは愛してくれていたけど…兄さんもお父さんも

私を邪魔な存在だと思っているだろう


早く卒業して、家を出たい

中学、高校と期待に応えられず失望される毎日

そんなクソみたいな泥沼の生活

大人になればそれから解放される



早く大人になりたい

早く、1人になりたい



そんなことをほざきながら

私は毎日家に帰る

ひどく滑稽で支離滅裂だ


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