偽恋人の恋愛事情


ーーー


「昨日寝た?」

え?

翌朝、隣を並ぶ偽の彼氏、鈴本楓にそんなことを言われる


「寝ましたけど…なぜですか?」

「隈があるから」

ああ

まあ、色々考え込んでいたせいで寝付きは悪かったけど


「テスト結果ちゃんと総合一位だったのに浮かない顔してるね。満足行かなかったの?」

「そんなことありませんよ」

「そう?」

「少し、疲れただけです」

「…へぇ」


歩幅の狭い私に合わせてくれている鈴本くん


隈か

よく見てるのね私のこと


< 47 / 296 >

この作品をシェア

pagetop