偽恋人の恋愛事情


翌日


「ね、あれって」
「え?どういうこと?」
「なんであの二人一緒にいるの?」


登校中、学校内でざわめきがひろがる

その視線の先には私と…隣を歩く鈴本楓

ひそひそと音にならない声が飛び交っている

…う

結構しんどいこれ


「え、付き合ってんの?」
「まさかまさか…いや、でも…」
「…絵になるなぁ」


冷や汗がこめかみを伝った

刺さる視線

かかるざわめき

変に早まる心臓の音


「す、鈴本くん…」

「なに」

「これ…本当に効果あるんですか」

「あるよ」


隣の彼は目線だけをこちらに向けて涼しい顔をしている


一体……なぜこうなった



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