偽恋人の恋愛事情



ブーブー

!!


と、そんな矢先

携帯まで震え出した!?


「あ、で。電話?」

電話だった

かけてきたのは偽恋人

鈴本楓と表示された名前


まだ何も言っていないのに…助けられてしまった

震える指で応答のボタンをタップした


「もしもし」
『もしもし?どうしたの?』
「あ…あの」

えっと…

「…」
『…?』

どうしよう


『…ん?待って?かいちょ…じゃなくて、雪音』

え?

『もしかして外にいる?』



「な、なんでわかったんですか?」

『雨だよ、雨の音がする』

あ、結構本降りになってたんだ


『なんで外にいるの?こんな時間に1人じゃないよね?』

「えっと…」

『1人か』

何も言ってないのになぜわかる?


でも…
鈴本くんだ

鈴本くんの声だ


『ねぇ何があったの?大丈夫なの?』

……


「鈴本くん」

『うん?』

「…助けてください」

『え?』


頼らせてください


「あの私…父親と喧嘩して…いや喧嘩っていうか私が爆発したっていうか…水かけて」

『え、水?待ってどういうこと?』

「違うんです、だって鈴本くんを馬鹿にして、それでいつも成績ばっかで、だから…あーもう!」

私何言ってんの!



『…雪音。今どこにいる?』

……


「連絡先交換した場所」

『…了解。待ってて』

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