偽恋人の恋愛事情
「シャワーありがとうございました」
用意されていた鈴本くんの服は言わずもがな大きくて
白色の半袖Tシャツだったけど袖は肘まで覆っているし
ズボンも紐で縛れるタイプだったから落ちることはないけど、長さが圧倒的にオーバーしていたので3、4回折った
こんなに違う?
私別に身長低いわけじゃないのに
なんかちょっと悔しい
「あ…デカかった?それでも一番小さいやつにしたんだけど」
「……」
「それどんな顔?」
「私チビじゃないですって顔です」
「チビではないよ?でも俺よりは小さい」
…
鈴本くんがくしゃっと笑って私の頭に手を置く
ドキッと、少女漫画でよくある音が鳴る
でも
ここから育つかもしれない感情を育ててはいけない
私が彼を頼ったのは、彼が私を助けてくれたのは
特別な感情の派生ではない
そう、思わなければならない