偽恋人の恋愛事情


偽の彼女になってくれ


というとんでもない提案を、少し挑発しただけで簡単に受け入れた

逆にちょっと心配になったわ


でも俺も心から助けを求めていたことは確かだ

毎日毎日告白されると流石に怖くなってくる

そのうち刺されるんじゃねぇかと

それで彼女という存在があれば、いい防御になるかもしれないと踏んだ


だが、普通に考えて

その相手が会長である必要などなかった

女友達がいないわけでもないし、事情を話せば理解して全力で彼女役をやってくれる人は間違いなくいただろう


でも、あの人が良かった

あの人にやってほしかった


だから恋愛に興味がないという、真実性にあまりにも欠ける言いがかりを見つけてきて

それを材料に説得した

まさか呑んでもらえるとは思わなかったけど


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