また、星の下で君に会えたなら。~彦星の生まれ変わりは織姫女子を溺愛する~

バタッ
大きな音がして勢いよく保健室の扉が開かれた。

「ッ、びっくりしたー。」
私が驚いていると、

「おっ邪魔しま~す!」
聞き慣れた声がワンテンポ遅れて聞こえてくる。
そして、3人の生徒が入ってきた。

私の友達の、
森坂莉子(もりさかりこ)と、
空狐輪廻(そらこりんね)と、
海星蛍(うみぼしけい)
である。

「大丈夫?教室出てったとき、凄く顔色悪かったけど、、、」
ミディアムの少しふんわりした栗色の髪が可愛らしい女の子が心配そうに言ってくる。
髪に合わせた縁が濃い茶色の眼鏡の下にある綺麗な瞳から、今にも涙がこぼれそう。
彼女は、莉子。
先程の言葉は、昔から心配性の彼女にピッタリの言葉だった。

「マジでみんな心配してたんだよー!」
焦げ茶の大体、肩辺りまであるポニーテールを大袈裟に揺らしているかと思っていたが、困った子犬の様にしゅんとうなだれている。
彼女は、輪廻。
いつもハイテンションで元気に絡んでくるが、今は元気がない。
まさか、輪廻にここまで心配してるなんて!
意外すぎる!

(保健室に入ってきたときの声は輪廻のものだが、考えないものとする)
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