また、星の下で君に会えたなら。~彦星の生まれ変わりは織姫女子を溺愛する~
『はぁ?!』
『図々しいにも程があるわよ!』
『ここまでしてあげたのに、まだ何かあるわけ?』
聞き覚えのある女性の怒声が、耳を刺す。
俺だって、お前達に頼み事をするなんて、これ以上嫌だ。
でも、ここで引き下がったら何のためにここまでやってきたんだ。
(我慢しろ、我慢だ)
俺は、家のベランダから星空を見上げながら、心の中でそう叫んでいた。
この、奥がなく吸い込まれるような星空を目を凝らして見ると
胸がふくよかで波打つ美しい金髪をもち母性愛を感じさせる女性 -生命の神とストレートの紺の髪に透明度の高い古代紫の目をもつ、まるで菖蒲の花を連想させる女性-摂理の神、そして、赤焦げ茶の髪を高い位置で結って首に輪廻の輪をモチーフにしたものと神石を組み合わせてできている首飾りを付けている、見た目は少女だが永年を生きる女性-輪廻の輪を司る神が俺に向かって冗談めかしく腹を立てている様子が見える。
もちろん、普通の人間が目を凝らしてもこの光景が見える訳ではない。
俺が普通ではないのだから。
普通、神が〖死に〗生まれ変わっても魂が少し特殊なだけて、せいぜい陰陽師や霊祓師程度の力しか使えない。
しかし、普通のそれらに比べたら一国を滅ぼす程度には、力を持っている。
しかし、俺の場合、前世での神力が、かなり強く生まれ変わっても神力が残っていた。
否、少し違う。俺が先程の3神と全ての神の生命を司る最高神に頼み込んだからだ。