また、星の下で君に会えたなら。~彦星の生まれ変わりは織姫女子を溺愛する~
「丘星さんは、なぜこんなところに?」
社交辞令のように顔には、心にもない笑みを浮かべて清理に結花は疑問を述べた。
「眠れなくって、ちょっとぶらぶらしてたんですよ。高校生だともう大人と体格が大して変わらないから補導されにくいし。織川さんもですか?」
「はい、あまり眠れなくて。」
そんな他愛ないのかよく分からないが、相当な問題発言をしまくっている会話をしていると、
「そろそろ、帰った方が良さそうですよ?もう2時だ」
「え?!本当ですか!?やばっ!帰んなきゃ、じゃぁ、さよなら」
星空を見ていたのと予想外の出来事にあったせいで時間なんて忘れていた。
結花は、暗闇に慣れた目を頼りに神社の出口に向かって走った。
「え?ちょっ、待って!うそ、、」
一方、清理は何が起こったか理解できておらず、間抜けな声を出し、結花に向けて手こそ伸ばしているが呆然とたたずんでいた。
しかし、結花はそんな清理のことなんか露知らず、家に向かって走っていた。現在地は分からなくても、本能的に何処を通れば帰れるか分かっているような気がしたのだ。
そして彼女は、家についてから気がつくのだ。
『丘星清理に近付いたのに体調が悪くならなかったと』