悪役を買って出た令嬢の、賑やかで切なくて運命的な長い夜のお話
大きなのっそりとした体に髭もじゃ、エプロンをしている。身長は二メートルはありそうで、エバは驚いて見上げるばかりだ。
年は中年以上の男性という印象だ。
「いらっしゃい。ああ、アンドレア様か」
低くゆっくりとした喋り方で、店主と思われる人物は挨拶をしてきた。
「こんばんは、いい夜だな」
挨拶を交わすアンドレアの後ろから、エバは店主に挨拶をした。
「お嬢さんも、いらっしゃい。良かったらゆっくり見ていってね」
「ありがとうございます。見たことのない花ばかりで……とても素敵です」
感じたことを素直に伝えると、店主の尖った耳がピルピルと動いた。
(変わった耳の形だわ、それに動いてる)
店主の耳に見入るエバに、アンドレアは紹介を始めた。
「彼はエルフ族のヒガン。この花屋の店主で、長生きで賢者のように落ち着き頭が良い」
「え、エルフ族ですか!?」
「お嬢さん、エルフを見るのは初めて?」
店主は得意げに笑みを作る。
「初めてです、ごめんなさい、エルフはお話の中だけの存在だと……」
エルフを含む妖精族は、物語の中の存在だとするのが通説だ。
エバの周りで、エルフ族に会った人なんて居ないし聞いたこともない。
年は中年以上の男性という印象だ。
「いらっしゃい。ああ、アンドレア様か」
低くゆっくりとした喋り方で、店主と思われる人物は挨拶をしてきた。
「こんばんは、いい夜だな」
挨拶を交わすアンドレアの後ろから、エバは店主に挨拶をした。
「お嬢さんも、いらっしゃい。良かったらゆっくり見ていってね」
「ありがとうございます。見たことのない花ばかりで……とても素敵です」
感じたことを素直に伝えると、店主の尖った耳がピルピルと動いた。
(変わった耳の形だわ、それに動いてる)
店主の耳に見入るエバに、アンドレアは紹介を始めた。
「彼はエルフ族のヒガン。この花屋の店主で、長生きで賢者のように落ち着き頭が良い」
「え、エルフ族ですか!?」
「お嬢さん、エルフを見るのは初めて?」
店主は得意げに笑みを作る。
「初めてです、ごめんなさい、エルフはお話の中だけの存在だと……」
エルフを含む妖精族は、物語の中の存在だとするのが通説だ。
エバの周りで、エルフ族に会った人なんて居ないし聞いたこともない。