深町山の秘密

恭介がそう訊ねると、未来が「先に腹ごしらえしようぜ〜」と言い自身が背負っているリュックサックから薄塩味のポテトチップスを取り出す。おいしそうなパッケージを見ていると、航のお腹がグウッと音を立てる。

「お腹空いてきちゃった。おやつ先に食べよう！真もお菓子出せよ〜！」

渉が柿の種を取り出すと、恭介もリュックサックの中からグミを取り出す。真はその様子を見て恐る恐るリュックサックからお菓子を取り出す。そのパッケージに、渉たち三人は驚いた。

「真、何このおやつ……！」

「めっちゃキラキラしてね？」

「高そ〜……」

バラが描かれたおしゃれなパッケージは、ど田舎のコンビニやお店では見ることはできない。ポカンと口を開けている三人に対し、真は少し照れ臭そうに言う。

「これ、ベルギー産のチョコレートなんだ。横浜にあるチョコレートの専門店、お母さんが好きで取り寄せてるんだ。とってもおいしいよ！」

真はそう言った後、おしゃれなパッケージを開ける。そこに入っていたチョコレートは、もちろん普通の板チョコなどではなかった。