完璧からはほど遠い
サラリと言われたので、私の手は止まった。ゆっくり見上げてみると、成瀬さんがニコリと笑う。
「え、でも、家具も家電もそろってないし、冷蔵庫の中は水しか……」
「あーうん。
俺ね、仕事がないときは、とにかく動きたくない人間なの。昨日も丸一日何も食べてなくてねーだから体調崩したのかな」
「ん??」
つい聞き返してしまう。当の本人はあくびをしながら答えた。
「普段は昼は社食食うから、それで保ってるんだけど。昨日忙しくて食いそびれてさ。一昨日の夜もめんどくさくて何も食ってなくて」
「ん??」
「やっぱり食べないと免疫落ちるのかなー」
ぼんやりとそんなことをいう成瀬さんに、私は首を傾げた。なんか、違う。いつもの成瀬さんと違う。
「え、あの、そういえば玄関に大量のカロリーメイトのゴミとかが」
「あー何も手を加えず食べれるものって限られるじゃん? 気が向いたら夕飯あれ食べてる」
「え、別にコンビニとかスーパーでお弁当買って帰れば」
「買い物ってめんどくさいよね。あれはネットスーパーで大量買いしてるから」
頭の中が疑問でいっぱいになる。つまり、成瀬さんは食に対してとことん興味がない人、ということだろうか?
私の疑問に答えるように、彼は独り言のように言った。
「え、でも、家具も家電もそろってないし、冷蔵庫の中は水しか……」
「あーうん。
俺ね、仕事がないときは、とにかく動きたくない人間なの。昨日も丸一日何も食べてなくてねーだから体調崩したのかな」
「ん??」
つい聞き返してしまう。当の本人はあくびをしながら答えた。
「普段は昼は社食食うから、それで保ってるんだけど。昨日忙しくて食いそびれてさ。一昨日の夜もめんどくさくて何も食ってなくて」
「ん??」
「やっぱり食べないと免疫落ちるのかなー」
ぼんやりとそんなことをいう成瀬さんに、私は首を傾げた。なんか、違う。いつもの成瀬さんと違う。
「え、あの、そういえば玄関に大量のカロリーメイトのゴミとかが」
「あー何も手を加えず食べれるものって限られるじゃん? 気が向いたら夕飯あれ食べてる」
「え、別にコンビニとかスーパーでお弁当買って帰れば」
「買い物ってめんどくさいよね。あれはネットスーパーで大量買いしてるから」
頭の中が疑問でいっぱいになる。つまり、成瀬さんは食に対してとことん興味がない人、ということだろうか?
私の疑問に答えるように、彼は独り言のように言った。