完璧からはほど遠い
 私は念を押すが、高橋さんはどこか不敵な笑みを浮かべている。嫌な予感がした、これ何か企んでるんじゃないだろうか。

「はーい。言わないでおきまーす」

「……ありがとう。私は今から食事に行くから」

「いってらっしゃーい」

 手をひらひら振って見送る。不安に駆られながら、私はその場から立ち去った。

――嫌な感じ。

 相手にしない方がいいと分かってても、やはり気になってしまう。あの子一体何がしたいんだろう。私と大和の仲を壊しておきながら、今度はくっつけようとしてるなんて。そんなに私が嫌いなんだろうか。

 大和のこと、全部成瀬さんに言ってみようか。

 今まで細かなことは黙っていたが、さすがに相談した方がいい気がしてきた。もし、変な形で私と大和の関係が成瀬さんの耳に入ったら。そう考えると、絶対自分の口から説明した方がいいと思える。

 今日、カレーを届けて、全部話してみよう。

 そう心に誓った。

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