【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
「今日は街でトラブルもなし、出動要請もなし! いやぁ~、平和って最高っすね~」
部下のジェイクが、いつもの軽い口調でご機嫌に言う。
書類仕事をしていたアシュレイは資料に目を落としたまま「そうだな」と頷いた。
アシュレイが率いる第一騎士団は、街で凶悪事件が発生した時や、隣国の侵攻を受けた時など、重大案件の対処に当たることが多い。
自分たちが暇なのは、すなわちこの国が平和である証。良いことだ。
「そういえば、近衛騎士の友人に聞いたんすけど。隊長が、学校の懇親パーティに美女同伴で出席したって噂。あれ本当っすか?」
「ああ」
「えー、女嫌いの隊長がですか? うそだぁー!」
「本当だ」
「くそぉ~。俺、その噂が嘘だって方に賭けてたんすけど、ボロ負けですわ~」
ジェイクが「はぁ~、俺の五万が吹っ飛んだ~」とため息をつく。
アシュレイはようやく書類から顔をあげて、呆れた顔で部下を見た。
「ジェイク。お前、上司の噂を賭けの対象にした挙げ句、本人に真偽を聞くなんて図太すぎるだろう。俺相手だから良いが、他の隊長にはやるなよ」
部下のジェイクが、いつもの軽い口調でご機嫌に言う。
書類仕事をしていたアシュレイは資料に目を落としたまま「そうだな」と頷いた。
アシュレイが率いる第一騎士団は、街で凶悪事件が発生した時や、隣国の侵攻を受けた時など、重大案件の対処に当たることが多い。
自分たちが暇なのは、すなわちこの国が平和である証。良いことだ。
「そういえば、近衛騎士の友人に聞いたんすけど。隊長が、学校の懇親パーティに美女同伴で出席したって噂。あれ本当っすか?」
「ああ」
「えー、女嫌いの隊長がですか? うそだぁー!」
「本当だ」
「くそぉ~。俺、その噂が嘘だって方に賭けてたんすけど、ボロ負けですわ~」
ジェイクが「はぁ~、俺の五万が吹っ飛んだ~」とため息をつく。
アシュレイはようやく書類から顔をあげて、呆れた顔で部下を見た。
「ジェイク。お前、上司の噂を賭けの対象にした挙げ句、本人に真偽を聞くなんて図太すぎるだろう。俺相手だから良いが、他の隊長にはやるなよ」