【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
「もちろんアシュレイ隊長以外にはやらないっすよ。俺が世渡り上手なの、ご存じでしょ?」
「そうだな。そんな『世渡り上手』なお前に、ひとつ頼みがあるんだ」
耳を貸せとサインを送ると、ジェイクはこちらに近付いてきた。
ここにいるのは全員、信頼の置ける部下ばかりだ。
だが、どこに罠が潜んでいるか分からないため、用心するに越したことはない。
アシュレイは声を潜めつつ、わざと雑談をするような気安い素振りで言った。
「お前、近衛騎士にツテがあるんだろう。オスカー殿下の身辺を探って欲しい」
顔が広く、自他共に認める世渡り上手のジェイクはニヤリと笑った。彼はこの手の情報収集が上手い。
その素質を買われ、諜報部隊から引き抜きの話が来ているらしいが、ジェイクは頑なに拒否している。
以前『お前が諜報部に行くというのなら、止めはしないぞ』と言ったことがある。
だがジェイクは『え~、嫌っすよ~。張り込みとか残業多い部署は勘弁っす。俺、仕事よりプライベート優先なんで』と顔をしかめていた。
「そうだな。そんな『世渡り上手』なお前に、ひとつ頼みがあるんだ」
耳を貸せとサインを送ると、ジェイクはこちらに近付いてきた。
ここにいるのは全員、信頼の置ける部下ばかりだ。
だが、どこに罠が潜んでいるか分からないため、用心するに越したことはない。
アシュレイは声を潜めつつ、わざと雑談をするような気安い素振りで言った。
「お前、近衛騎士にツテがあるんだろう。オスカー殿下の身辺を探って欲しい」
顔が広く、自他共に認める世渡り上手のジェイクはニヤリと笑った。彼はこの手の情報収集が上手い。
その素質を買われ、諜報部隊から引き抜きの話が来ているらしいが、ジェイクは頑なに拒否している。
以前『お前が諜報部に行くというのなら、止めはしないぞ』と言ったことがある。
だがジェイクは『え~、嫌っすよ~。張り込みとか残業多い部署は勘弁っす。俺、仕事よりプライベート優先なんで』と顔をしかめていた。