【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
ビクトリアのおかげで、灰色だった人生が一気に鮮やかさを取り戻した。
花が咲き誇るような彼女の笑顔を見ていると、自分も弾むような心地になる。
感情を表に表わすのが下手くそなアシュレイと違い、ビクトリアは喜怒哀楽がはっきりしているから、眺めているだけで楽しい。
特に、美味しそうにお酒を飲んで頬を赤らめている姿は、可愛らしくてほっこり癒される。
ビクトリアに喜んでもらうため、アシュレイは酒好きな騎士仲間に協力を依頼し、珍しい酒を集めるようになった。
ほら今も、部下のひとりが「隊長、ちょっと良いですか?」と言って近付いてくる。
「仕事帰りに酒屋へ寄ったら良い酒あったんで買っておきました。エスポワールっていう銘柄のワインです。領収証はこちらになります」
「かなり年代物のようだな……珍しい。ありがとう、じゃあこれで。釣りはいらないよ」
「また探しておきますね!」
「ああ、頼んだ」
酒瓶の入った紙袋を受け取り、多めに代金を渡すと、部下は「まいどあり!」と商人のような挨拶をして立ち去っていった。
花が咲き誇るような彼女の笑顔を見ていると、自分も弾むような心地になる。
感情を表に表わすのが下手くそなアシュレイと違い、ビクトリアは喜怒哀楽がはっきりしているから、眺めているだけで楽しい。
特に、美味しそうにお酒を飲んで頬を赤らめている姿は、可愛らしくてほっこり癒される。
ビクトリアに喜んでもらうため、アシュレイは酒好きな騎士仲間に協力を依頼し、珍しい酒を集めるようになった。
ほら今も、部下のひとりが「隊長、ちょっと良いですか?」と言って近付いてくる。
「仕事帰りに酒屋へ寄ったら良い酒あったんで買っておきました。エスポワールっていう銘柄のワインです。領収証はこちらになります」
「かなり年代物のようだな……珍しい。ありがとう、じゃあこれで。釣りはいらないよ」
「また探しておきますね!」
「ああ、頼んだ」
酒瓶の入った紙袋を受け取り、多めに代金を渡すと、部下は「まいどあり!」と商人のような挨拶をして立ち去っていった。