【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
10/27 書影公開記念SS
コンコン──というドアをノックする音で、アシュレイは書類から目を離した。
入室を許可すると、部屋に入ってきた家令が、恭しく一礼する。
「お仕事中に申し訳ございません、旦那様」
「いや、構わない。どうした」
「今し方、イアンお坊ちゃまの家庭教師の先生が、面接にいらっしゃいました。ですが、その……」
いつもハキハキと話す家令が、珍しく口ごもる。
何事かと思い尋ねると、彼はやや困った顔で告げた。
「実は、いらしたのは女性の先生でして……」
「女性? 職業紹介所には、男性教師をと念を押していたはずだが……まさか……」
「いいえ、そうではないようです。紹介所から直接、面接の連絡を受けておりましたし、紹介状もきちんと確認しましたが、正規の物でございました」
過去に、わざわざ偽の紹介状を作って面接にやってきた女性がいたため、今回も偽造かと疑ったが、どうやら本物で間違いないらしい。
入室を許可すると、部屋に入ってきた家令が、恭しく一礼する。
「お仕事中に申し訳ございません、旦那様」
「いや、構わない。どうした」
「今し方、イアンお坊ちゃまの家庭教師の先生が、面接にいらっしゃいました。ですが、その……」
いつもハキハキと話す家令が、珍しく口ごもる。
何事かと思い尋ねると、彼はやや困った顔で告げた。
「実は、いらしたのは女性の先生でして……」
「女性? 職業紹介所には、男性教師をと念を押していたはずだが……まさか……」
「いいえ、そうではないようです。紹介所から直接、面接の連絡を受けておりましたし、紹介状もきちんと確認しましたが、正規の物でございました」
過去に、わざわざ偽の紹介状を作って面接にやってきた女性がいたため、今回も偽造かと疑ったが、どうやら本物で間違いないらしい。