【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
首を傾げるアシュレイに、ビクトリアはにっこり笑う。
「アシュレイ~、ビッキー、はやくはやくぅ~!」
「はーい! 今行きますよ~! さぁ、アシュレイ様、行きましょう!」
雪も止み、晴れ渡った空が眩しい休日。
賑やかなクラーク一家は、結婚指輪を買うため街へ繰り出した。
✻ ✻ ✻
「ん~~~っ! あまいゆびわ~♪ おいしいゆびわ~♪」
馬車の中で両足をプラプラ揺らしながら、イアンがご機嫌に鼻歌を歌う。
時折、左指にはめた指輪をペロリとなめて「おいしい~!」とはしゃいでいる。
ビクトリアが『イアン用の指輪』として用意したのは、工芸品店で作らせた指輪に、手作り飴を付けた「リングキャンディ」なるものだった。
「宝石の部分が飴になっているのか。へぇ、初めて見たよ。君は本当に、いろいろなことを思いつくね」
感心してそう褒めれば、ビクトリアは照れくさそうに微笑しながら「こんな見た目のダガシがあったのを、たまたま思い出して」と言った。
「アシュレイ~、ビッキー、はやくはやくぅ~!」
「はーい! 今行きますよ~! さぁ、アシュレイ様、行きましょう!」
雪も止み、晴れ渡った空が眩しい休日。
賑やかなクラーク一家は、結婚指輪を買うため街へ繰り出した。
✻ ✻ ✻
「ん~~~っ! あまいゆびわ~♪ おいしいゆびわ~♪」
馬車の中で両足をプラプラ揺らしながら、イアンがご機嫌に鼻歌を歌う。
時折、左指にはめた指輪をペロリとなめて「おいしい~!」とはしゃいでいる。
ビクトリアが『イアン用の指輪』として用意したのは、工芸品店で作らせた指輪に、手作り飴を付けた「リングキャンディ」なるものだった。
「宝石の部分が飴になっているのか。へぇ、初めて見たよ。君は本当に、いろいろなことを思いつくね」
感心してそう褒めれば、ビクトリアは照れくさそうに微笑しながら「こんな見た目のダガシがあったのを、たまたま思い出して」と言った。