【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
「ダガシ? ってなんだい?」

「えっ? あっ、えっ、ええっと……そう! 昔食べたことのある、大好きな異国のお菓子! たしか『ダガシ』っていう名前だったような……」

「へぇ、異国にはこういう菓子があるのか。君は物知りだな」

「信じてもらえた……? よかった……」

 ――まさか前世で食べたお菓子を再現したの、とは言えず、焦って冷や汗をかいているビクトリアの内心などつゆ知らず。

 アシュレイは「俺の奥さんは可憐な上に物知りだな」と誇らしげな気持ちになるのだった。


 その後、馬車は商業街をゆったり進み、ほどなくして街で一番人気の宝石店に到着した。重厚感のある扉を開けると、落ち着いたインテリアの店内に、煌びやかな宝飾品の数々が並んでいる。

「うわぁ、キラキラだぁ」
「すごく綺麗……」

 イアンとビクトリアが揃って目を輝かせる。
 アシュレイにとっては、ふたりの満面の笑顔とキラキラ煌めく瞳の方が、どんな宝石よりも美しく、そして尊く思えた。

「ご予約のクラーク様ですね。お待ちしておりました」

 店員に先導され、奥の接客ブースに向かっていると、前方から歩いてきた人物に「おっ、アシュレイじゃねぇか!」と声をかけられた。




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 記念SSをお読みくださり、ありがとうございます!
 明日、発売当日11/5(日)AM10時 ラストエピソード更新です♪

 
🍀ファン登録してくださっている皆様へ
 11/2(木)にファンメールを送信したのですが、連休を挟むため到着は11/6(月)になると思います。
 「発売間近」と「書籍発売」の2つのメールが同日に届くと思います!ごめんなさい💦💦
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