【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
そのあまりの愛らしさに魅了された私は、たまらず胸を押えて「ぐうっ」と声を上げた。
何を隠そう、私は無類の可愛いもの好きだった。
特別子どもが好きな訳ではないけど、小さくて可愛いものを見ると胸がキュンとしてしまうのだ。
めちゃくちゃキュートなイアンに私はハートを打ち抜かれてしまった。胸を押えてぷるぷる震える私の顔を、イアンが気遣わしげにのぞき込んでくる。
「ビッキー、どうしたの?胸が痛いの? もしかして、心臓が痛い?」
「持病の可愛いもの好きが……、いえ、何でもありません。大丈夫です」
「ジの、びょうき……??」
「いえいえ! 痔の病気ではありませんよ」
イアンが無邪気な顔で「ん?」と首をかしげる。
まずい。このままじゃ私は、特にアピールポイントもないまま、痔の病気(疑惑)の家庭教師という印象になってしまう。なんとか挽回を図らなければ。
私はにっこり爽やかな笑みを浮かべると、さりげなく話題を変えた。
「私、ダンスはとても得意なんです。もしイアン様の先生になれたら、一緒に練習しましょうね」
「うんっ!僕、ダンスの練習したい!」
イアンがキラキラお目々のわくわく顔で私を見上げてくる。
その時、廊下の方から足音が聞こえて来て、ノックのあとに男性が部屋に入ってきた。
何を隠そう、私は無類の可愛いもの好きだった。
特別子どもが好きな訳ではないけど、小さくて可愛いものを見ると胸がキュンとしてしまうのだ。
めちゃくちゃキュートなイアンに私はハートを打ち抜かれてしまった。胸を押えてぷるぷる震える私の顔を、イアンが気遣わしげにのぞき込んでくる。
「ビッキー、どうしたの?胸が痛いの? もしかして、心臓が痛い?」
「持病の可愛いもの好きが……、いえ、何でもありません。大丈夫です」
「ジの、びょうき……??」
「いえいえ! 痔の病気ではありませんよ」
イアンが無邪気な顔で「ん?」と首をかしげる。
まずい。このままじゃ私は、特にアピールポイントもないまま、痔の病気(疑惑)の家庭教師という印象になってしまう。なんとか挽回を図らなければ。
私はにっこり爽やかな笑みを浮かべると、さりげなく話題を変えた。
「私、ダンスはとても得意なんです。もしイアン様の先生になれたら、一緒に練習しましょうね」
「うんっ!僕、ダンスの練習したい!」
イアンがキラキラお目々のわくわく顔で私を見上げてくる。
その時、廊下の方から足音が聞こえて来て、ノックのあとに男性が部屋に入ってきた。