【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
2章:ビクトリアの第二の人生
採用が決まったあと、イアンの案内でお屋敷の中を見て回ることになった。
アシュレイは来客があって、今は席を外している。
「ここが、ビッキーの部屋だよ」
一番最初に案内されたのは私の部屋。日当たりも良く、フェネリー侯爵家の私室にも負けないくらい広々としている。
室内にはベッドに本棚、衣装ダンス、化粧台など、日常生活に必要な家具は一式揃っており、おまけにどれも一級品。
女性家庭教師たちが玉の輿を狙いたくなる気持ちも分かる。こんな豪華な部屋に案内されたら、ここの女主人になりたいという欲目も出るはずだわ。
「このお部屋は、他の先生が使っていたの?」
「ううん。ここに泊まったひとは、まだいないよ。アシュレイが怒ってみんな追い出したから」
ということは、派遣されてきた他の教師は一日と持たずクビにされたということね。
気をつけようと思うと同時に、そんな短時間であの冷静そうなアシュレイを怒らせるなんて、一体全体、みんなどんなやらかしをしたのか不思議……。
アシュレイは来客があって、今は席を外している。
「ここが、ビッキーの部屋だよ」
一番最初に案内されたのは私の部屋。日当たりも良く、フェネリー侯爵家の私室にも負けないくらい広々としている。
室内にはベッドに本棚、衣装ダンス、化粧台など、日常生活に必要な家具は一式揃っており、おまけにどれも一級品。
女性家庭教師たちが玉の輿を狙いたくなる気持ちも分かる。こんな豪華な部屋に案内されたら、ここの女主人になりたいという欲目も出るはずだわ。
「このお部屋は、他の先生が使っていたの?」
「ううん。ここに泊まったひとは、まだいないよ。アシュレイが怒ってみんな追い出したから」
ということは、派遣されてきた他の教師は一日と持たずクビにされたということね。
気をつけようと思うと同時に、そんな短時間であの冷静そうなアシュレイを怒らせるなんて、一体全体、みんなどんなやらかしをしたのか不思議……。