きみと、観覧車で


「空羽、今日は財布、しまっといて」



南雲くんに、そんなことを言われた。



「でっ、でも............っ、」



私は、小さい頃から、
お金の管理はきっちりしてる方だから。



〝自分で払わなきゃっ‼︎〟って気持ちが強いタイプ。



だから、やっぱり.....................



「大丈夫。分かってるから。でもさ、
今日は、お金とか気にせず楽しんで欲しい」



私が言葉を発する前に、
読み取ったかのように言葉を発する南雲くん。



南雲くんの瞳はもの凄く真剣。



こっ、これは〝断るな〟ってこと......?



「............ぅ、分かった、」



南雲くんの瞳のせいで、
何も言えなくなった私は、
気づけば、その言葉を口にしてた..................


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