きみと、観覧車で


私が、口に出してしまうことで。



南雲くんの、
大切な進路をジャマしちゃうかもしれない。



そう思って.................................



「1番好きなのは観覧車、だよ」



思ってることとは、少し違うことを。



南雲くんから、
目を逸らしながら、静かにそう告げた。



「.....................空羽、俺はさ、」



私は視線を逸らしたのに、
すぐあと、言葉を紡いだのは南雲くんで。



「観覧車は〝特別〟な場所だと思ってる」



〝特別〟を強調するように、そう言うと。



──────ギュッ



と、ふいに〝手〟を握って来た南雲くん。


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