きみと、観覧車で


南雲くんに、握られた〝手〟は私の両手。



右手は、南雲くんの左手。



左手は、南雲くんの右手。



それぞれ握られているから、
再び、南雲くんを見ざる得ない状況。



私は、
ドキドキしながら、ゴクリと唾を飲み込んで。



「.........っ、どうして、〝特別〟なの?」



期待半分、不安半分の気持ちで問いかけると。



「空羽のこと、独り占め出来る場所だから」



いつもより熱い、南雲くんの視線がぶつかる。



「っ、......ず、ズルいよ、南雲くん、」



南雲くんは、
来年には地元を離れて生活してしまうから。



私を置いて行ってしまうのに.....................


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