きみと、観覧車で
南雲くんは、ズルい。本当にズルい。
このままじゃ、気持ちが溢れ出そうで。
「っ、ぅ、ズルすぎる..................っ、」
必死に抑えながら、
〝ズルい〟としか言えない私。
そんな私を見て南雲くんは。
「...............じゃあ、空羽はバレバレ」
と、口にしてから。
そのまま私を、
引き寄せるように、腕の中に閉じ込めた。
そして、そのまま........................
「もうすぐ頂上だけど、キスする?」
耳元で紡がれる甘い言葉。
静かにコクリと、頷けば。
「............んっ、」
〝観覧車〟の1番上のところ。
つまり頂上にて、
大好きなきみと、観覧車でキスをした。
fin.