きみと、観覧車で


パタパタと足音を立てながら、
南雲くんの隣に追いついた瞬間。



──────ギュッ



と、暖かい温もりに〝手〟を握られる感覚。



「っ、な、南雲くん?」



名前を呼ばれたことよりも、
更にビックリして、声をかけると。



「..................っ、人増えてきたし、
空羽と、はぐれたら困るから」



ほんの少し照れたような顔をして、
そんなことを言う南雲くん。



普段、〝手〟を握ってなんて登校しないし。



〝手〟を握ったのは久しぶり。



だから、ドキドキと、
心臓が音を立ててるのが分かる。



「っ、ゆ、遊園地楽しみだねっ‼︎」

「.........俺も楽しみ、」



久しぶりの遊園地と、久しぶりに握った〝手〟



沢山のドキドキを乗せて.....................



「いざっ、遊園地へ!」


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