きみと、観覧車で
【03.】子供に戻ったように
『いざっ、遊園地へ!』
なんて、そこそこの声量で言ってしまった私。
そのせいで、周囲を歩く人たちからも、
軽く視線を浴びてしまったけど。
南雲くんは嫌な顔せず、
私の隣を〝手〟を握ったまま歩いてくれた。
普通なら、
嫌な顔をして離れるだろうって状況なのに。
南雲くんは、
昔から変わらず、〝優しい男の子〟
優しさゆえに、
女の子達からの注目度も高くって。
クラスメイトの子から聞いた話しだけど。
私と南雲くんが通う学校で、
南雲くんを知らない人はいない......らしい。
そんな話しを聞いているからか、
クラスメイトの子達に、
南雲くんと、〝幼なじみ〟なんて言ってない。