おちたらきっと、


まさか、
〝一緒に〟って形だけど。



助けてくれる人が、
この世にいるなんて、想像もしてなかった。



「ほっ、歩楽く、」

「うっ、そ、なんでここに?」

「実物、かっ、カッコいい..................っ‼︎」



と、それぞれ口にする女の子たち。



対して、彼をよく知らない私は。



「...........................助けてなんて頼んでない」



誰にも聞こえない小声でそう呟く。



その言葉が、
聞こえたか?聞こえてないか?



なんて分からないけど。



「あー、俺のこと。知ってる?」



私と同じく水に濡れて、
ビジョ濡れなのにニコニコ笑顔の彼。



..............................なんて、楽観的なんだろう?


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