【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
これは子作り婚ですか?
「大好きだよ、ミク。毎日愛してる」
「もう、分かったから!」
この頃、カオルに溺愛される日々が毎日続いている。 しつこいくらい、カオルは毎日私に愛を囁く。
「なあ、ミク」
「なに?」
隣に座るカオルに視線を向けると、カオルは私に「このままもう一緒に住まない?」と提案してくる。
「え?」
「どうせもう結婚するんだし、明日からでも一緒に住まないか? そしたらずっと一緒に、ミクといられるだろ?」
カオルからの提案は、素直に嬉しいなと思った。
それには理由があったから。
「あのね、カオル」
「ん?」
「一緒に、住もうっか」
カオルはすんなりと提案を受け入れた私に驚いたのか、「えっ、マジ……?」とキョトンとした顔をする。
「なに? そっちが言ったんじゃない」
「いや、それはそうなんだけどさ。すんなりと受け入れたからびっくりしたよ」
「だってまあ、ほら……。婚約してる訳だし、いつかはそうなるじゃん?」
というのも、姉夫婦が妊娠を期に実家に住むことにしたと言うのだ。
実家で暮らせば妊娠中も何かと安心だし、母にも子供の面倒を見てもらえるから、旦那さんと話して実家に住むことを決めたそうだ。