【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


「私は……カオルのこと、好きになれないかもしれないのに?」

 だけどカオルは、「なら、俺が好きにさせればいいだけだろ?」と自信満々に微笑んでいる。

「そんなこと……」

「俺が必ず、ミクに俺を好きだって言わせてやる。他の男になんて目も暮れないくらい、愛してやる」

 自信満々な表情で私を見るカオルに、私は何も言えなくなってしまった。

「ミクを愛せる男は、この世にたった一人だけだ。 そう、俺だけだ」

 なんか……カオルがカオルじゃないみたい。 こんなカオル、見たことない。

「他の男が例えミクを好きになったとしても、ミクのそばにいれる男は俺一人で充分だ。 俺一人だけだ、ミクを愛していいのは」

「なんで……そんなに自信満々なの?」

 カオルは私のことを好きだって言ってくれた。三ヶ月前、カオルは私に「結婚しよう」と直球でプロポーズしてきた。 
 戸惑う私に、カオルは「絶対に、幸せにするから」と手を握ってくれた。

 誠実そうに見えたカオルだけど、今のカオルは出会った頃とは違うカオルだ。
 本能を剥き出しにしている、オオカミなカオルに見える。

「ミクのことを愛してるからに決まってるだろ? 俺にはもう、ミクしかいないんだ」
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